Unity本科基盤授業の講義概要
授業の考え方、流れなど
なに?
Unity本科の基盤講義では、「能力開発の4つのステップ」に基づいた授業構成を行っています。
4つのステップ | 説明 | 授業での扱い | 時間配分目安 |
---|---|---|---|
知る | 自分がやりたいことを実現するために必要な用語や概念は何かを認知している | 座学 | 30分 |
分かる | 用語や概念の意味や成り立ちを理解し、身近な例に結びつけて頭の中で整理している | (上記と同じ) | (上記と同じ) |
できる | 実際に手を動かして何かしらの物を作れる | 実践課題の説明(および課外時間での任意課題への取組) | 5分(+課外時間での取組時間) |
教える | 自分が分かったことを相手に分かってもらえる | グループワーク | 10分 |
Unityに関する知識を満遍なく学習できるよう、全日程に出席してもらうことが望ましいです。また、課外時間での自習・復習・課題への取り組み等は完全に任意であり、無理のない範囲で取り組んでもらうことを想定しています。
例えば3回目の色改変の授業では、具体的にはlilToonというシェーダーのパラメータをヒエラルキーウィンドウのレンダラー コンポーネント(メッシュレンダラーなど)から調整することにより、アバター改変の一種である色改変を実現させる方法について解説します。
そのためには「シェーダー」や「コンポーネント」といった各種技術の概要について知っておく必要がありますし、シェーダーを使うために必要な要素である「メッシュレンダラー」や「マテリアル」についても順を追って深堀りしていく必要があります。
授業の後半では、具体的な色改変の実践課題の提示をし、色改変のやり方や授業の気付きなどをグループメンバーに教える時間を設けます。
なぜ?
Unity本科の基盤講義として、1週間というかなりの短期間において誰もが効率良くUnityに関する技術知識を獲得することが求められます。これらの要求に対し、学習の4つのステップ「知る」「分かる」「できる」「教える」1 を参考に授業スライドを組みました。
Unity本科基盤講義においては、それぞれのステップを以下のように当てはめます。
- 知る: 自分がやりたいことを実現するために必要な用語や概念は何かを認知している。
- わかる: 用語や概念の意味や成り立ちを理解し、身近な例に結びつけて頭の中で整理している。
- できる: 実際に手を動かして何かしらの物を作れる。
- 教える: 自分が分かったことを相手に分かってもらえる。
なお、「できる」については授業中は概要のみの説明に留め、授業外の時間で各自実践してもらうことを期待しています。 これは授業時間に限りがあること、VRに入りながらUnityを触るのはPCスペック要件等の技術要件が高く一部の人が実施不可能であることが予想されること、実践を進めるスピードは個人によって大きく差があるため全体としてのハンドリングが難しいこと、といった理由のためです。
それぞれのステップを回ごとの講義で満遍なく扱えるよう、授業は大きく分けて「座学」と 「グループワーク」の2つで構成しています。
- 座学: 投影資料をもとに、その日ごとのテーマに関する用語・概念の原理原則について学ぶ(知る/わかる)。実践課題の概要を知る(できるの前準備)。
- グループワーク: その日に学んだことをグループ内のクラスメイトに対して説明してみる(教える)。
なお、大まかな時間配分は以下の通りです。これはあくまでも目安であり、基盤講師の裁量範囲で自由に配分を変えられるものとします。
- 座学: 35分(原理原則の説明: 30分、実践課題の説明: 5分)
- グループワーク: 10分
例えば3回目の色改変の授業目標は「色改変ができるようになる」ことです。 これを達成するために、まずは座学で色改変に必要な技術であるシェーダー、コンポーネントといった要素を一通り認知し、関心に応じて成り立ちや身近な例を通して頭の中で整理します。 続いて、各自の課外時間で色改変の実践ができるよう具体的な課題と方法について提示します。 最後に、色改変で分かったこと、得られた気付きを言語化する試みとしてグループワークを行います。